清掃入札ガイド / 02

建築物清掃業登録とは?清掃会社が知っておきたい制度の基本

登録の単位は「営業所」。
設備・人員・研修・作業方法をそろえ、所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けます。

営業所を支える4つの基準

機械と人だけでは、そろいません。

登録を受ける営業所

設備
真空掃除機・床みがき機
監督者
基礎資格と、所定の講習修了
従事者研修
全員の受講・定期実施・内容など
作業・維持管理
清掃の方法と、機械器具の管理方法

監督者の基礎資格
ビルクリーニング職種の技能検定1級合格
または 建築物環境衛生管理技術者免状
+ 所定の講習・再講習の要件

基礎資格だけでは足りません。申請時は、現行法令と登録窓口の案内で詳しい要件を確認します。

別々に管理する、2つの期限

同じ「6年」でも、時計は別。

営業所の登録

6年

登録証明書の有効期間を確認

監督者の講習

6年未満

講習・再講習の修了日からの経過期間を確認

起算日は同じとは限りません。登録証明書と講習修了証を、別の項目で管理しましょう。

未登録の清掃事業を一律に禁止する営業許可制度ではありません。入札で必要かは案件次第。指定の登録名・営業所・有効期間を確認し、入札参加資格も別に照合します。

詳しい解説と公式資料

必要な項目を開いて確認できます。条件・例外・出典を含む本文を収録しています。

この記事の基本的な考え方

建築物清掃業登録は、設備・人員・研修・作業方法などの基準を満たした営業所が、都道府県知事の登録を受ける制度です。有効期間は6年です。

清掃入札で登録が必要かどうかは、案件の条件で決まります。 登録制度の概要と、入札での使われ方を分けて確認しましょう。

建築物清掃業登録の基本

建築物清掃業登録とは、建築物の衛生的な環境を確保するための法律に基づく、清掃事業の登録です。会社全体ではなく、営業所ごとに受けます。

項目制度の基本
登録の単位営業所ごと
登録先営業所所在地を管轄する都道府県知事
有効期間6年
主な基準設備、人員、研修、作業・維持管理の方法

根拠は、建築物における衛生的環境の確保に関する法律・第12条の2です。申請方法や必要書類は、営業所所在地の自治体が案内する登録窓口で確認します。

未登録の場合、清掃業務はできない?

この登録は、未登録事業者による対象業務を一律に禁止する営業許可制度ではありません。一方、登録を受けていない営業所について、登録業者であるかのような表示はできません。同法・第12条の2、第12条の10

なお、登録制度の位置づけと、個々の業務に適用される法令上の義務は別に確認する必要があります。

対象業務と、ほかの登録区分を混同しない

建築物清掃業は、建築物内の床などの清掃を行う事業を対象とする区分です。

清掃に関連する業務でも、飲料水貯水槽の清掃や排水管の清掃などには別の登録区分があります。公告に登録条件が書かれていたら、「清掃に関係する登録を持っている」で済ませず、指定された正式名称を照合してください。

区分の違いは、資格・登録の一覧でも整理しています。

登録基準は4つのまとまりで確認する

登録基準は、同法施行規則・第25条に定められています。ここでは申請前に確認したい要点を整理します。

1. 設備:真空掃除機と床みがき機

必要な機械器具として、真空掃除機と床みがき機が定められています。

申請にあたっては、保有状況を示す書類など、登録窓口が求める資料を確認します。

2. 清掃作業監督者:基礎資格と講習の両方を確認

清掃作業監督者は、清掃作業を監督する人です。登録基準では、次の「基礎資格」と「講習」の両方を満たす必要があります。

基礎資格:次のいずれか

  • ビルクリーニング職種の技能検定1級に合格している
  • 建築物環境衛生管理技術者免状の交付を受けている

講習:次のいずれか

  • 厚生労働大臣の登録を受けた者が行う清掃作業監督者の講習を修了し、修了日から6年を経過していない
  • その講習を修了したうえで、登録を受けた者が行う再講習を修了し、再講習の修了日から6年を経過していない

基礎資格の証明だけでなく、講習・再講習の修了証と日付まで確認してください。「技能士が在籍しているから大丈夫」とは判断できません。

3. 従事者研修:全員が受講できる体制と、研修の中身

清掃作業に従事する人については、法令の基準に合う研修を修了していることが求められます。

すべての従事者が受講できること、定期的に実施されること、機械器具・資材の使い方や安全・衛生などを扱うことが主な確認点です。研修の実施主体や指導者にも要件があります。

4. 作業・維持管理の方法:日々の運用も確認対象

清掃作業の方法と、清掃用機械器具などの維持管理方法にも基準があります。人や機械をそろえるだけでなく、どのように清掃し、機器を管理するかも整理します。

上記は登録基準の概要です。実際の申請では、現行法令と登録窓口の最新案内で必要事項を確認してください。

営業所の登録と、監督者の講習には別々の期限がある

確認したいのは、次の2つです。

  1. 営業所の登録:登録証明書の有効期間
  2. 監督者の講習:講習・再講習の修了日からの経過期間

どちらも「6年」という期間が出てきますが、起算日は同じとは限りません。会社で期限を管理する際は、別の項目として記録しましょう。

営業所の登録期間が終わった後も登録業者として表示を続けるには、新たな登録が必要です。準備や受付時期は登録窓口の案内で確認してください。法律・第12条の2、第12条の10

清掃入札では、登録が参加条件になることがある

すべての清掃入札で、建築物清掃業登録が一律に必須となるわけではありません。ただし、登録を条件として指定する案件があります。

たとえば、茨城労働局の「令和8年度 茨城労働局管内17施設における清掃等業務委託」では、建築物環境衛生総合管理業または建築物清掃業の登録証明書の交付を受け、その有効期間を超過していないことが求められました。茨城労働局「令和8年度 茨城労働局管内17施設における清掃等業務委託」公告・競争参加資格⑾

これは過去の特定案件の例です。現在の募集情報ではなく、他の清掃入札にそのまま当てはまる条件でもありません。

公告で登録条件を見つけたら、ここを確認

  • □ 求められる登録の正式名称
  • □ 複数の登録のうち、いずれかでよいか
  • □ 登録されている営業所と、申込みを行う営業所の関係
  • □ 登録の有効期間と、案件が指定する確認時点
  • □ 登録証明書など、提出する書類と期限

営業所や有効期間の扱いを資料から判断できないときは、発注機関に確認します。また、登録条件を満たしていても、入札参加資格・実績・人員などの条件は別に照合が必要です。

よくある質問

本社が登録済みなら、支店も登録済みですか?

登録は営業所ごとです。会社名だけで判断せず、登録証明書に記載された営業所を確認してください。

建築物清掃業登録があれば、入札参加資格は不要ですか?

それぞれ別の制度です。公告で入札参加資格と登録の両方が求められていれば、両方を確認します。

次は、登録が必要な案件かどうかを確認する

CREATIVE BIDで候補案件を見つけたら、案件詳細と公式資料で登録条件を確認してください。登録の有無だけで結論を出さず、自社の資格・実績・配置予定の人員もあわせて照合しましょう。

参照資料:建築物における衛生的環境の確保に関する法律/同法施行規則・第25条/茨城労働局「令和8年度 茨城労働局管内17施設における清掃等業務委託」公告(JETRO掲載)