清掃入札ガイド / 06

清掃業務委託の見積で確認すべき項目

まず作業量をつかみ、次にかかる費用を積み上げます。原価と入札金額は、分けて考えましょう。

人数と時間を、作業量へ

工数は「人 × 時間」。

説明用の架空例 · 標準工数ではありません

1回の作業2人 × 2時間 = 4人時

対象期間の作業量4人時 × 20回 = 80人時

工数は、人の数と時間を合わせた作業量。実際の人数・時間は、自社実績と現場条件から考えます。

見積前の7項目

作業量を確認

  1. 対象・面積
  2. 頻度
  3. 時間帯
  4. 工数・人員

関連費用を確認

  1. 資機材・消耗品
  2. 移動・管理など
  3. 施設固有の費用

人件費だけで終わらせない。報告・検査や搬入などの条件も確認します。

原価と入札金額は、別の確認。

原価を整理する

作業を実行するために
何に、いくらかかるか。

入札書に記載する

総価か単価か、対象期間、
税・端数の指定は何か。

総価=対象業務全体の金額。単価=1回や1単位当たりの金額。

入札金額の記載を詳しく確認 ↓

詳しい解説と公式資料

必要な項目を開いて確認できます。条件・例外・出典を含む本文を収録しています。

この記事の基本的な考え方

見積は、仕様書から必要な作業を読み取り、自社が履行するための費用を積み上げて考えます。 面積だけで価格を決めず、頻度、時間帯、人員、資機材の負担まで確認しましょう。

この記事は、費用の確認漏れを減らすための整理ガイドです。全国共通の単価や、落札できる価格を示すものではありません。

原価と入札価格を分けて考える

原価は、業務を行うために必要な費用です。入札価格は、原価や自社の採算、案件の条件を踏まえて事業者が決める提示価格です。

原価を整理しただけで、入札価格が自動的に決まるわけではありません。また、入札書に記入する金額には、総価(対象業務全体の金額)・単価(1回や1単位当たりの金額)、対象期間、消費税や端数の扱いなどの指定があり得ます。価格を決める作業と、指定どおりに記載する作業を分けて確認してください。

見積前に確認したい7項目

まず1〜4で作業量をつかみ、5〜7で周辺の費用を確認します。

確認のまとまり見る項目
作業量をつかむ対象・面積/頻度/時間帯/工数・人員
関連する費用を拾う資機材・消耗品/移動・管理/個別条件
作業量をつかむ

1 清掃対象と面積

対象となる部屋や床材、作業内容を確認します。建物の延べ面積と、実際に清掃する面積を混同しないようにしましょう。

同じ面積でも、作業内容や現場の条件が違えば必要な時間は変わります。仕様書の面積表・作業一覧・図面などを照合し、確認できない条件は質問事項として残します。

2 清掃頻度と契約期間

日常清掃と定期清掃を分け、期間内に何回行うかを確認します。「毎日」「週に数回」「年に数回」などの記載は、作業日や休日の扱いとセットで読みます。

月額費用を考える場合も、年間の定期作業を計上し忘れないようにします。回数が不明なまま、都合のよい前提で計算しないことが大切です。

3 作業時間と曜日

作業できる時間帯、曜日、休館日等の条件を確認します。短い時間帯に作業を終える必要があれば、総工数が同じでも同時に配置する人数が変わることがあります。

自社の勤務体制と両立できるか、必要な人員を確保できるかまで確認します。人件費は実際の雇用条件と適用される法令を踏まえて見積もってください。

4 必要工数と人員

工数は、作業に必要な人の時間を表す考え方です。作業を分け、それぞれに何人が何時間必要かを自社の実績や現場条件から検討します。

計算の見方(架空の例)

  • 1回の作業:2人 × 2時間 = 4人時
  • 同じ作業を20回:4人時 × 20回 = 80人時

これは計算方法の説明で、清掃の標準工数ではありません。

人件費を確認する際は、作業時間に加えて、仕様上必要な準備・片付け・管理等の時間、責任者の配置条件も確認します。案件が定める人数や配置要件を、この計算だけで置き換えることはできません。

ここまでの確認:作業ごとの人数・時間・回数と、指定された配置条件を説明できる状態になっていますか。

関連する費用を拾う

5 資機材と消耗品

掃除機、床みがき機、洗剤、清掃用具など、業務に必要なものを洗い出します。発注者の支給品か、自社が用意するものかを分けて記録しましょう。

自社で用意する場合は、購入・借用・既存品の使用など、自社の履行方法に応じた費用を確認します。消耗品の補充や搬入など、仕様で求められる作業も確認対象です。

6 移動と管理

複数施設への移動、現場への搬入、連絡調整、作業報告、検査対応などを確認します。現場作業だけで費用を組むと、これらの負担が抜けやすくなります。

どの作業を誰が行うかを整理し、他の費用項目と重複して数えないようにします。

7 案件固有の条件

施設用途に応じた清掃方法、特別な資機材、入退館や作業時間の制約など、個別の指定を確認します。通常の自社業務と違う点があれば、追加の費用や準備が必要かを検討します。

不明点は、公告・説明書で指定された方法と質問期限に従って確認します。回答や訂正資料を受け取ったら、見積の前提も更新してください。

費用と根拠を一緒に残す
費用の区分控えておくこと
人件費人数、時間、回数、配置条件
資機材・消耗品必要品、支給の有無、自社の調達方法
移動・管理移動、報告、検査等の作業と回数
個別条件に伴う費用通常と異なる指定、対応方法、不明点

各項目には、仕様書のページや別紙番号も付けます。後で条件が変わったときに、どの費用を見直すべきか追いやすくなります。

入札書に書く金額は案件ごとの指定を確認する

鹿児島第3地方合同庁舎の2026年度清掃業務公告では、業務に必要な全費用を見積もることに加え、入札書には見積契約金額の110分の100相当額を記載する旨が示されています。鹿児島第3地方合同庁舎 2026年度清掃業務の公告

横浜保土ケ谷中央病院の2026年8月公告も、直接経費に加え、機材・資材・運搬費等を含む見積を求めています。横浜保土ケ谷中央病院 2026年8月7日公告

いずれも個別案件の例です。税や端数の扱い、金額の対象期間を、他の案件へそのまま当てはめないでください。

提出前に確認すること

  • □ 最新の仕様・訂正・質問回答を反映した
  • □ 日常清掃と定期清掃の作業量を確認した
  • □ 人員・工数と履行体制を確認した
  • □ 資機材・消耗品の負担を確認した
  • □ 移動・管理・個別条件の費用を確認した
  • □ 二重計上や計上漏れがないか見直した
  • □ 総価・単価、対象期間、税・端数の扱いを確認した
  • □ 内訳書と入札書の金額を照合した

案件の条件から確認を始める

CREATIVE BIDの案件詳細から公式資料を開き、清掃範囲や頻度、人員の条件を確認してみましょう。原価と最終的な入札価格は、自社の履行方法・費用・採算を踏まえて判断します。確認した条件と根拠のページを、見積の前提として残しておきましょう。

関連:仕様書の確認項目/初めて参加する方法